登山時報から
2018.03.12(月)晴れ
労山の登山時報を定期購読している。毎月みていると有用な記事がある。ここ数年は西ネパール方面の記事が参考になった。1月号には私たちの西北ネパール登山隊の報告記事が掲載された。
3月号で気に留めた記事は、吉尾さんの「遺稿集 垂直の星」からの抜粋である。JAWF理事長の浦添さんが短文を寄稿している。労山の歴史や登山技術、遭難対策などで困ったときに読むとヒントを与えてくれるとのこと。
ずいぶん前からこの本は知っていたが、過去の原稿を集めたものだったので買っていなかった。
先週、登山時報をみて、その文章の前後を読みたいと思い、すぐにアマゾンに注文を入れた。少々硬い文章であるが、その記事を以下に引用しておく。
吉尾さんは、「登山とは自然の法則にのっとって、たえず変化の可能性を秘めている山とそれに登る人間との関係で成り立っているスポーツである」ことから、「登山者はいつも自分の力を正しく見つめ基礎から一歩一歩技術を高め、山のあらゆる変化に応じられる経験をためてゆくことが必要」であること、そして「安全を保障してくれるのが基本技術」であり、「準備・戦術・判断力、基本技術を総合したものが登山技術」だと指摘する。登山技術は、岩登りや先鋭的な登山だけでなく、ハイキングでも必要で登山を広げ、向上させる運動を前進させるには、「登山というものが必要としている技術を正しく位置づけ」る必要があると説いている。
表現の仕方の是非は別にして、山に向かう者に対して登山の内容を問わず、伝えたいという意思が伝わってくる。登山技術を実践を通じてしっかりと身に着けようと語りかけてくるようだ。半世紀以上も前、登山界で大活躍された方だけに重たい呼びかけだと受け止めることができる。
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